現代の中国の人民元紙幣には、共通して毛沢東が書かれていますが、硬貨には書かれていません。
しかし、過去に鋳造された中国銀貨には、歴史上の人物が書かれていました。
まず、袁世凱です。
辛亥革命によって清を打倒し、現在の大統領を意味する中華民国の大総統に就任した袁世凱は、通貨改革の一環として壹圓銀貨を発行しました。
袁世凱自身がデザインされたこの銀貨は、袁世凱像幣とも呼ばれていました。
そして、三民主義を唱え、中華民国の臨時大総統にもなった孫文も、中国銀貨に書かれています。
しかし、孫文が書かれた壹圓銀貨は、孫文自身が望んだものではなく、彼の死後に発行されました。
孫文の後継者として、中華民国を統一した蒋介石は、銀本位制に基づく中国銀貨を発行しました。
この銀貨に孫文は書かれており、袁世凱と同様に孫文像幣と呼ばれていました。
しかしその後、世界恐慌の影響などで中華民国内の銀が不足し、政府系銀行が発行した銀行券を法定貨幣として流通させたので、中華民国内で銀貨が流通することはなくなりました。
それ以降、銀貨を含めて中国の硬貨には人物は書かれていませんが、今後人民元紙幣のように毛沢東などが書かれる可能性はあるといえます。
中国銀貨の価値を見極めるには鑑定士に依頼するのが良いでしょう。
中国の通貨であるため、偽物も非常に多く出回っており、発行数も少ないものが多く、素人が自力で調べようとしても正確に把握するのは困難です。
また、古銭であるため状態に左右される、アンティークに分類されるものであり、市場の状況の影響も受けるものなので、専門家に依頼するのが無難です。
鑑定を依頼するときに気になる費用ですが、無料で行っているところもあれば有料のところもあります。
近場で中国銀貨の鑑定を行っている店舗が有料のところしかない場合、無駄にならないように自分で少し調査してから依頼した方が良いでしょう。
日本にも多く流通しているものであれば価値は下がります。
高値にならないものは鑑定に出しても得にはならないので、稀少性のあるものを調べてもらうと良いです。
なお、鑑定で出される金額は目安であるため、買い手が見つかればそれよりも高く売れることもあります。